おつかれ山です、マッシュです。
冬山登山を始めるといつかは欲しい冬靴。
冬靴を買う上で最大のネックが値段の高さ。
最低でも6万円以上はする高級品です。
今回紹介するスカルパのハイエンドモデルであるモンブランプロGTXは驚愕の9万円オーバー。
登山道具って高価なものが多いですが、そもそも9万円の買い物って滅多にしませんよね?笑
その9万円するアイテムを思い切って買ってみたので、冬靴が欲しい人のためにモンブランプロGTXをレビューしていきます。

以前は冬山でも3シーズン用の登山靴を履いてたけど、やっぱり足が寒い!
実際にモンブランプロGTXを冬山登山で使ったところ、保温力は期待以上でまったく寒さなし!
そして、足首のホールド感が心地よく意外と歩きやすいなというのが第一印象でした。
本記事では、モンブランプロGTXを実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを正直レビューしていきます。
9万円もする靴を買うからには絶対に後悔したくないと思うので、ぜひ僕のレビューを参考にしてください。
僕が使っている登山道具をまとめた記事も公開していますので、ぜひ参考にしてください。
スカルパ モンブランプロGTXのレビュー
【サイズ感】普段28.0cmでサイズ46を選択

僕は普段の日常生活で履いてる靴は28.0cm、たまに革靴で27.5cmといった感じですが、モンブランプロGTXは46(EUサイズ)を選びました。
冬用の厚手ソックスを履いた状態で、つま先や幅の感覚はちょうど良いと感じています。
歩いていてもつま先が当たる感じや窮屈な感じはしません。

試着してみて45でも履けそうかなと思ったのですが、つま先部分の余裕が少ないと感じたので46にしました。
モンブランプロGTXは「甲高・幅広の日本人向け」と言われることがありますが、正直そこまで「幅広」という印象はなく、標準的な足型の人でも違和感なく履けると感じています。
ちなみに、同じ冬靴でもネパールエボGTXは45を使用しています。
ブランドによってサイズ感が変わるため、必ず試着したうえで選ぶのがおすすめです。
【履き心地・フィット感】足首がやけに柔らかく感じる

手に持った感じはガッチリしていて冬靴らしい「頑丈」とか「堅牢」といった感じですが、履いてみると意外とソフトな履き心地なんだなと思いました。
特に足首から上だけ妙に柔らかい感じです。

モンブランプロGTXにはソックフィットシステムというテクノロジーが採用されています。
スカルパ公式の説明では「タンの重なりを無くすことで軽さとフィット感を高める」とされています。
当然ながら履いている最中は技術のことなんて考えていませんが、足首まわりの履き心地の良さはそのソックフィットシステムのおかげだと考えられます。
タンの余計な部分がないことで履いたときの煩わしさが通常のトレッキングシューズよりも軽減されているといった印象です。
【靴ひもの結び】スピードレーシングで素早い着脱可能か?個人差あるかも

モンブランプロGTXのスピードレーシングシステムは、本来「素早く均等に締められる」仕組みです。
正直なところ僕は苦手で、感じ方は個人差あるかなという印象でした。
結局は他の登山靴と同じように、ていねいに締めていかないとフィット感は出ません。

冬靴は一般的に、「足の甲」と「足首」を別々に締められる構造になっています。
モンブランプロGTXも同様で、靴ひもをつま先側から締めていくと途中にひも留めフックがあり、このフックに靴ひもを食い込ませてロックすることで緩まなくなります。
そのあとに足首部分のループを通して締めていくのですが、ロックされているおかげで靴ひもを押さえなくても緩まずに結んでいくことができます。

ただ、僕が気になったのは「ループを毎回外すの面倒くない?」という点。
ループを外さないとひも留めフックのロックを解除しづらく、甲側の靴ひもを緩められません。
締めるときもループが通ったままだとロックしづらい。
結局、毎回ループを外して作業することにしましたが、ここは少し面倒だと感じました。

比較として、スポルティバのネパールエボGTXはひも留めフックがD環で、倒すだけでロックができ、ループとの干渉も少なく扱いやすいです。
【歩行性能】ソールの剛性が高く安心した歩行が可能

モンブランプロGTXを手に持ってみると分かりますが、ソールがめっちゃ硬くて手の力で曲げたりねじったりができないほど。

夏山で履く靴とはソールの強さが全然違う!
頑丈なソールがしっかり足裏を支えてくれるので、ふくらはぎへの負担が減って長時間の歩行でも疲れにくく感じました。
ワンタッチアイゼンの装着感も良く、トラバースや岩場などで靴が斜めになる場面でも、靴がねじれにくくしっかり地面に接地できる感覚がありました。
僕は以前は冬山でも3シーズン用の登山靴を使っていましたが、そのときには感じなかった安定感があります。
冬靴の方が重くて体力を消耗しそうですが、余計な神経を使わなくて済むので、結果的に体力温存できています。
【保温力】−10℃以下でもつま先が冷えなかった

モンブランプロGTXはさすが冬靴だけあっての文句なしの保温力です。
僕が使った日は−10℃以下の環境でしたが、行動中につま先が冷え込むことはありませんでした。
稜線上で強風にさらされる場面でしばらくじっとしていても、じんわり冷えが伝わってくる感覚がほとんどなく、冬靴として信頼できる温かさです。

モンブランプロGTXにはゲイターが付いており、外側の冷気の侵入を防ぐだけでなく、内部の温かい空気が逃げにくい構造になっているので、休憩中でも冷えが進みにくい点がありがたいところ。
行動と休憩を繰り返す冬山では、この差が長時間の快適性に直結します。
また、ゲイターがあることで深い雪を踏み抜いてしまっても雪が入ってこないのは安心です。
スカルパ モンブランプロGTXのスペックと外観
| ブランド名 | スカルパ(SCARPA) |
| 商品名 | モンブランプロGTX(MONT BLANC PRO GTX) |
| ゲイター | 防水エラスチック |
| アッパー | ペルワンガー®耐水スエード(3.0mm) |
| 中綿 | GORE-TEX®ePTFEインサレーティッド |
| ソール | ビブラム®エッセンシャルAC (ワンタッチクランポン対応) |
| 重量 | 900g(#42、片方) |
実測重量(サイズ46)

僕が持っているサイズ46の重量を測ってみたら1,078gでした。
全体の外観

真っ白な雪山に映える黒地にオレンジのカラー。

かかと部分には直線と幾何学模様の組み合わせ、なんかよく分からないけどかっこいいです。笑


かかと外側には「SCARPA」ロゴ、かかと内側には商品名の「MONT BLANC PRO」が印字されてます。
足の挿入口

カフの上部に付いているゲイターを広げながら足を入れます。
足首まわり

足首まわりにはY字に配置されたTPUパーツが組み込まれており、しっかり足首を支えながらもスムーズに動かせるつくりになっています。
靴紐(シューレース)

スピードレーシングシステムというテクノロジーが採用された靴ひも。
締め方には慣れが必要な点もありますが、「足の甲」と「足首」を別々に締められるので、フィット感とホールド力はしっかり得られます。
前後のコバ


ワンタッチアイゼン(クランポン)対応の前後のコバ。
アウトソール


ひとつひとつのブロックが大きく、溝は深く太いのが特徴。
岩の上でも滑りにくく、雪が溝に詰まりにくい構造になっています。
スカルパ モンブランプロGTXはこんな人におすすめ

モンブランプロGTXは「長く軽快に歩ける冬靴が欲しい」人にもおすすめです。
モンブランプロGTXはワンタッチアイゼン対応の冬靴にしては軽量なつくりで、岩稜帯での細かい足運びや長時間の歩行でも軽快なフットワークを可能にしてくれます
保温力も十分な性能を備えているので、冬の登山でモンブランプロGTXを履けば満足度の高い相棒になってくれるはずです。
スカルパ モンブランプロGTX レビューまとめ

スカルパモンブランプロGTXをレビューしてきました。
モンブランプロGTXは、スカルパの技術を結集したフラッグシップモデル。
国内の冬山ならどんな山にも履いていける高い性能を備えています。
冬山でもモンブランプロGTXのような上位モデルを履いている人は多くないので、「できる人感」が漂い、周りからも自然と注目されるはず。
一度使えば冬山には外せないアイテムになること間違いないので、まだ冬靴を持っていない人はこの機会に買っちゃいましょう!


