おつかれ山です、マッシュです。
本記事では、イスカのダウンシュラフ「エアドライト290」のレビューを紹介します。
登山用のシュラフ選びをするとき、軽量コンパクトなシュラフが欲しいですが、値段が高さに悩みます。
「おすすめシュラフ5選」の記事で紹介したモデルの中でも、軽量コンパクトなシートゥサミットはやはり高い。
水に強いナンガは重い。
お手頃価格のネイチャーハイクやタケモは重くてデカい。
そんなときに、ちょうどいいシュラフがありました。
それがイスカのエアドライト290です。

今回紹介するイスカのエアドライト290は、最も軽いシートゥサミットよりも少し重いですが、3万円台で購入できる比較的安いシュラフ。
快適温度5℃、限界温度0℃なので、夏の高山から冬の低山まで1年を通して活躍できるスペックです。
そこで本記事では、イスカエアドライト290を実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを正直レビューしていきます。
オールシーズン使えるシュラフが欲しい人はぜひチェックしてください。
メリット
デメリット
僕が使っている登山道具をすべてまとめた記事も公開していますので、ぜひ参考にしてください。
イスカ「エアドライト290」を登山で使ってみたレビュー
身長180cmの僕が寝たときのサイズ感


身長180cmの僕が寝てみると長さと上半身の幅には余裕があり、頭や肩まわりに突っ張る感じは一切ありません。
逆に下半身はややタイトで、脚を広げられる範囲が狭い感じがしました。
マミー型シュラフであることを考えればこのタイトな感じは許容範囲内ですが、内部の空間が広いナンガのシュラフと比べると脚の形によりフィットした形状です。
とは言え、寝返りを打ちづらいかというとそんなことはなく、シュラフで寝るときはシュラフごと寝返りを打つので、その点寝心地に影響はないと感じています。
マミー型シュラフを初めて使う場合は、脚が広げられなくてなんだか変な感じがするかもですが、使っているうちに慣れてくるので大丈夫。
無駄な空間が少ない分だけ効率よく保温できるというメリットでもあるので、寒くなり始める秋口のテント泊でも快適に使えます。
足サイズ28cmの僕でもつま先部分に窮屈さはなし

僕は普段28cmの靴を履いていますが、エアドライト290で寝たときにつま先部分に窮屈さを感じることはありませんでした。
ただし、もっと大きい足だと窮屈になるかもしれないくらいの足元の広さです。
寒い時期のテント泊で、ダウンシューズを履いたりするとなおさら窮屈になるかもしれません。
逆に考えると、必要以上に空間が広すぎないので、足が冷えにくくなっています。
脚部分と同様にシュラフ内部が適度にフィットしていて、体温が逃げにくく保温効率が高まります。
気温5℃の秋の北アルプスで使用しても寒さは感じず

秋の北アルプス後立山連峰の冷池山荘でテント泊したとき、気温は5℃くらいでしたが、ダウン上下を組み合わせることで寒さをまったく感じず、爆睡できました。
実際の日程は9/30〜10/1で、テント場があるのは標高2,500m付近。
朝と夜の冷え込みは強く、薄手のフリースで外に出ると寒いくらいでしたが、寝袋に入れば寒さで目が覚めることもありませんでした。
さすがに氷点下になるような環境ではスペック不足ですが、夏山ならダウンなどの防寒着を着なくても寝れるくらいのシュラフです。
他モデルと比較しても軽くてコンパクトなので収納が楽ちん


エアドライト290は、重量560g・収納サイズ14×24cm。
温度域が同等クラスの他の寝袋と比べると、軽量コンパクトなので、リュックへの収まりがとても良く感じます。
実際に収納サイズを比べてみると、同じ保温力のあるシュラフでも一回り以上小さくまとめられます。
最も軽いのはシートゥサミットスパーク-1Cですが、収納サイズが小さいのはエアドライト290。
ナンガオーロラテックスライト350DXは、表地に防水透湿素材を使っているだけあって重量があります。
低価格のタケモスリーピングバッグ3とネイチャーハイクCW400は、重量・収納サイズ共に大きく、1泊2日程度なら十分使えますが、長期縦走登山には不向きです。
商品名 | 重量 | 収納サイズ | 温度域 | 金額(公式HP) |
---|---|---|---|---|
イスカ エアドライト290 | 560g | 14×24cm | 快適=記載なし 下限=-1℃ | 39,600円 |
シートゥサミット スパーク-1C | 363g | 9×12.5×23cm | 快適=11℃ 下限=7℃ | 47,520円 |
ナンガ オーロラテックスライト350DX | 730g | 13×25cm | 快適=5℃ 下限=0℃ | 47,300円 |
タケモ スリーピングバッグ3 | 730g | 15×28cm | 快適=記載なし 下限=2℃ | 25,300円 |
ネイチャーハイク CW400 | 910g | 16×35cm | 快適=5℃ 下限=0℃ | 18,990円 |
ジッパーの開け閉めが超スムーズで生地に噛み込まない

エアドライト290は、ジッパーの動きがとてもスムーズで、開け閉めで引っ掛かることや生地に噛み込むことがほとんどありません。
シュラフの中で寝ている状態からジッパーを開ける際、ジッパータブを使わなくても、ジッパー部分を開いてけば勝手に開いてくれます。
見た目は普通のジッパーで、特殊なパーツが付いているわけではないですが、雑に開け閉めしても生地に噛み込むことがほとんどありません。
ドラフトチューブがないので顔周りから外気が入ってきやすい

エアドライト290はドラフトチューブがないため、顔周りから外気が入りやすいと感じました。
ドラフトチューブは顔周りやジッパーの左右に付いており、外気の侵入や温かい空気が逃げることを防いでいます。
エアドライト290は寒い季節に使うことがないので、冷気の侵入が気になったことはありませんが、寒かったらダウンジャケットを着るなりして防寒対策をしています。
春・秋にテント泊登山をする場合はネックゲイターやダウンシューズも使うことで寒くて目が覚めてしまうことを防げます。
ドラフトチューブがないことで軽量コンパクトにもなっているので、夏を中心に使うシュラフであることを考えるとそこまでデメリットでもないかなという感じです。
イスカ「エアドライト290」のスペックと外観
スペック
ブランド名 | イスカ(ISUKA) |
製品名 | エアドライト290 |
中綿素材 | 770フィルパワー 撥水ダウン |
生地 | 表:ナイロン100% 裏:ナイロン100% |
使用温度域 | 快適温度:記載なし 最低使用温度:-1℃ |
重量 | 560g |
ダウン重量 | 290g |
サイズ | 78(肩幅)×210(全長)cm |
収納サイズ | φ14×24cm |
付属品 | コンプレッションバッグ |
想定される山域 | 夏のアルプス、春秋の2,000m以下 |


シュラフ本体の実測重量は549g(573g−24g)。
公式のスペック値が560gなので、実際は11g軽いです。
外観

全体の外観。
イスカエアドライト290はマミー型の登山用シュラフです。
カラーラインナップは「ブルーストーン」のみ。


生地は表・裏ともにナイロン100%で、撥水性能があるのでテント内壁の結露で濡れても内部のダウンには影響ありません。
引き裂きや摩耗に強い性能も備えています。


上部(胸側)はボックスキルト構造、下部(背中側)はシングルキルト構造で仕上げています。
両方の構造を併用することで、保温性を高めつつも軽量化を図っています。

上半身部分の側面にはダウンの偏りを防ぐセパレートボックスがあります。

顔周りのドローコードを絞ることで、冷気の侵入を防げます。

フットボックスは逆台形で、より多くのダウンを充填することで寒さを感じやすい足元の保温性を高めています。

ジッパーはYKK製。
とてもスムーズな動きで、生地の噛み込みはほとんどありません。

付属のスタッフサック。
防水性能はほぼないので、実際に登山に行くときは、ドライバッグに収納したほうが良いです。
イスカ「エアドライト290」はこんな人におすすめ

エアドライト290は 「軽くて持ち運びやすいシュラフを探している人」におすすめです。
夏山でしかテント泊登山をしない人にとっては、エアドライト290が1個あれば十分。
標高2,000m以下であれば春や秋でも使えますし、平地なら1年中キャンプできます。
イスカ「エアドライト290」レビュー まとめ

イスカエアドライト290は、軽くてコンパクトでありながら、−1℃まで対応できる温かさを備えるシュラフ。
大体6月〜10月くらいのテント泊登山なら十分対応できます。
イスカにはもっと軽いエアドライト190(415g)もありますが、限界温度7℃なので、夏山3,000m級で使うのは少々不安。
シュラフ内はポカポカの状態でヌクヌク過ごしたい僕にとってエアドライト290がベストな選択肢です。