おつかれ山です、マッシュです。
冬山登山に始めたとき、どのパンツを履いていこうと考えた結果、レインパンツを履いていったのを懐かしく思います。
たしかにレインパンツでも登れますが、それは天気が良くて標高が低い山のとき。
冬山は夏以上に天気が変わりやすく、低山でもいつ吹雪が吹いてくるか分かりません。
レインパンツでは強風にさらされると内部に冷気が伝わりやすくとても危険です。

生地も弱いからアイゼンを引っかけるとすぐに破れちゃう
そこで今回紹介するのは冬山用ハードシェルパンツであるザ・ノースフェイスマウンテンパンツ。
150デニールGORE-TEXという極厚生地で圧倒的な防風・防水性能。
フルオープンのサイドファスナーやアイゼンガードなど、機能も冬山仕様です。

実際に着用してみると稜線で強風にさらされても脚が冷えず、冬の登山が一気に安心・快適になります。
本記事では、マウンテンパンツを実際に使ってみて感じたメリット・デメリットを正直レビューしていきます。
ぜひ最後まで読んでください。
僕が使っている登山道具すべてをまとめた記事も公開しています。
ザ・ノースフェイス マウンテンパンツのレビュー
【サイズ感】180cm・70kgでLサイズを購入、動きづらさはなし


僕の体型は身長180cm・体重70kgですが、Lサイズのマウンテンパンツを選びました。
ウエストは少し大きめでしたが、左右に面ファスナーのベルトが付いているので、動きやすい具合に調整できます。


脚のシルエットは太めで少しダボついてる感がありますが、全体的に幅に余裕があり岩場や急登でもストレスなく足を上げられます。
150デニールもある極厚GORE-TEXなので、動きにくいかなと思ってましたが、全然そんなことはありませんでした。

XLとMも試着してみたけど、XLは丈が長すぎ、Mはレイヤリングを考えるとウエストが小さかったかな
マウンテンパンツとレイヤリングを想定している具体的なレイヤリングは、以下のとおり。
初冬の燕岳にこのレイヤリングで登山してみましたが、窮屈な感じはなく動きやすかったです。
- アンダーウェア(肌着)
ファイントラックドライレイヤーベーシックタイツ - ベースレイヤー
ファイントラックメリノスピンライトタイツ - トレッキングパンツ
ミレーモンテローザパンツネオ
防風性能は文句つけどころなし!中途半端な寒さだとむしろ暑い

スノースポーツ全般で活躍する山岳用ハードシェルパンツだけあって、マウンテンパンツの防風性能は他の追随を許さないと言っても過言ではないくらいに圧倒的です。
むしろ、−5℃〜0℃くらいの中途半端な寒さだと、風を完全にシャットアウトするぶん暑さを感じるほど。
150デニールのGORE-TEXだけあって、風を通さないのは当然ながら、冷気も全然伝わってきません。

このあたりがレインウェアとの大きな違いだね〜

初冬の燕岳で使用したときは、稜線上では気温−10℃〜−5℃・風速15m〜20mで吹雪でした。
この天気でも、風の侵入や冷気はまったく感じず、下半身のコンディションは常に安定した状態を保てました。
合戦小屋のあたりまで下りてくると風が止んで少し暖かすぎる感じがしたので、「これは完全に冬仕様のパンツだな」と実感。
後述するようにフルオープンのサイドファスナーで着脱が簡単なので、暑かったら脱げばいいだけ。
便利な機能も充実しているので冬山に登るときのアウターパンツはマウンテンパンツ一択です。
フルオープンのサイドファスナーが便利すぎる

マウンテンパンツのサイドファスナーはフルオープンなので、登山中の脱ぎ履きの煩わしさがかなり軽減されています。
ハードシェルパンツなどの防水パンツには普通はサイドファスナーが備わっていますが、フルオープンはあまり多くのモデルで採用されていません。
そんな中、マウンテンパンツはウエストから裾まで全部開くので、靴を履いたままでも簡単に脱ぎ履きできます。

アイゼンやスノーシューを付けっぱなしでもOK!
早朝は寒いのでハードシェルパンツを履いて登山スタートしたものの、気温が上がってきたら暑くなってきて脱ぎたくなってきた、なんてことは冬山登山ではあるある。
そんなときでもフルオープンのマウンテンパンツならサッと脱いで体温調節できます。

少し暑いけど脱ぐほどではないような中途半端な寒さのときは、ウエストベルトを付けたままファスナーを開けることでベンチレーションもできます。

フルオープンにする際には、ファスナーの通り道にある面ファスナーが少し邪魔ですが、そんなデメリットはお構いなし。
脱ぎ履きしやすいというのはレイヤリングを考える上で大きなメリットです。
裾にはアイゼンガードがあるのでスノーゲイターが不要!荷物が減って嬉しい

裾部分はアイゼンガードと冬靴に引っかけるフックが付いているので、スノーゲイターを用意する必要なし。

めっちゃ丈夫な生地だからアイゼン引っかけても全然平気

裾部分はアウターとインナーの二重構造になっており、深い雪を踏み抜いても靴の中に雪が入りません。
スノーゲイターは生地が厚く収納しづらいので、使わないときの収納に困っていました。
マウンテンパンツがあればスノーゲイターを持って行かなくいいので、荷物が多くなりがちな冬山登山で軽量化になって嬉しいです。
リュックに収納したいときコンパクトになりにくい

マウンテンパンツはマウンテンジャケットと同じ150デニールのGORE-TEX生地。
ということは小さく収納しようとしてもゴワゴワしてうまくいきません。
その上、フルオープンのファスナーがあったり、ウエストや裾あたりもかなり分厚くなっていて余計にかさばります。
とはいえハードシェルパンツを持っていると荷物が大きくなるのはしょうがないです。
それと引き換えに快適な冬山登山を楽しめるので、僕は喜んでマウンテンパンツを持っていきます。
ザ・ノースフェイス マウンテンパンツのスペックと外観
スペック
| ブランド名 | THE NORTH FACE |
| 商品名 | マウンテンパンツ |
| 素材(表地) | 150D GORE-TEX Plain Woven(2層) 表側:ナイロン100%、裏側:ePE |
| 素材(裏地) | Embossed Taffeta(ナイロン100%) |
| フィットタイプ | リラックスフィット(余裕あり) |
| ウエスト調整 | ゴム+面ファスナーのベルト(サイズ調整可能) |
| 裾使用 | アイゼンガード付き(コーデュラ補強) 裾内側にドローコードあり |
| サイドファスナー | フルオープン |
| 重量(実測) | 634g(Lサイズ) ※公式HPには記載なし |
実測の重量

マウンテンパンツの重量は公式HPには記載がなかったので、実際に測ってみたら634gでした。
全体の外観


全体の外観。
黒一色にノースフェイスの大きめロゴがあるだけのとてもシンプルなデザイン。
裏返した様子


蒸れやすい股部分はメッシュになっています。
ウエスト


ウエストは左右に付いてる面ファスナーを調整することで大きさを変えられます。
サイドファスナー

フルオープン仕様のサイドファスナー。
前ファスナー

ダブルファスナーなのでリュックの腰ベルトを締めた状態でも下から開けることができます。
裾(アウター)


裾にはコーデュラを使用したアイゼンガードあり。
内側にはドローコードも付いています。
裾(インナー)




アウター同様に裾部分を開くことができます。
冬靴に引っかけられるフックがついており、裾口は滑り止め仕様になっています。
上下セットで揃えたい!マウンテンジャケット

マウンテンパンツを買うなら、ぜひマウンテンジャケットも上下セットで揃えてほしい組み合わせ。
どちらも150デニールGORE-TEXを採用しており、防風・防水性能に優れた冬山用のハードシェル。
セットで着ることで全身の防御力が一気に高まります。
上下が同じデザイン、同じ素材のウェアを身につけることで統一感が生まれ、見た目のスタイルもグッと引き締まります。
マウンテンジャケットのレビュー記事もぜひ参考にしてください。
ザ・ノースフェイス マウンテンパンツはこんな人におすすめ

ザ・ノースフェイスマウンテンパンツは「冬の登山でもしもの悪天候でも確実に下半身を守りたい人」におすすめです。
150デニールGORE-TEXの生地は防風・防水性が非常に高く、強い風が吹く稜線でも冷えを感じにくいのが魅力。
森林限界を超える冬山登山で効果を発揮しますが、フルオープンのサイドファスナーやアイゼンガードなど、冬山を想定した機能が充実しています。
冬は標高の低い山しか行かない場合でも、マウンテンパンツを履いていれば余計な不安なく登山ができます。
ザ・ノースフェイス マウンテンパンツ レビューまとめ

ザ・ノースフェイスマウンテンパンツをレビューしました。
初めて試着したときにはレインパンツとは明らかに違う「防御力の高さ」みたいなものを感じました。
150デニールのGORE-TEXによる圧倒的な防風・防水性能、フルオープンのサイドファスナー、アイゼンガードなど、本格的な冬山登山を支える要素がたっぷり。
冬山という過酷な環境で身につけるものだからこそ、安全を最優先に選びたい一本ですね。


